ヒューマンエラーの分類(その2) ー 行動のレベルによる分類


次に行動者のレベルによる視点で分類してみる事にする。

ある計画を実行するとき、そのときの状況と実行者の習熟度によって、注意の使用量が異なってくる。

従って、ヒューマンエラーはその行動者のレベルにより、次の3つの段階に分類される。(SRKモデル)

(1)ナレッジベース Knowledge Base

(2)ルールベース Rule Base

(3)スキルベース Skill Base

(1)K・ナレッジベース

多くのことを知らない・できない、初心者の段階。

例えば、採用されたばかりのスタッフが専門の機械を操作する場合、

訓練もせず、スムーズに操作できる者はいない。

スムーズに操作ができるまで相当の訓練が必要となる。

このとき、注意の使用量はほぼ全てが使われており、これまでに得た知識・経験のフル活用が必要である。

このような段階での行動をナレッジベースという。

【エラー形成因子】

1.選択性(bounded rationality)

2.ワーキングメモリ過負荷

3.視野の外, うわの空

4.Thematic “vagabondings”   vs. “encysting”

5.メモリ内の手掛かり/類推による推理

6.マッチングバイアス
(文章のたずね方に引きづられる傾向のこと。
規則の中で示されているかたちで答えようとする。)

7.不完全, 不十分なメンタルモデル

(2)R・ルールベース

問題に対する対処方法が既に決まっていることで、滞りなく問題を解決することが出来る

(マニュアルが作成されていて、マニュアルどおりに実行すれば問題ない)

とされる行動はルールベースの行動とされる。

例えば、日常的に機械操作に携わっているスタッフがその機械の操作を行う場合の行動がこれに当たる。

【エラー形成因子】

1.マインドセット(考え方の基本的な枠組み)

2.手近さ(Availability)

3.マッチングバイアス
(文章のたずね方に引きづられる傾向のこと。
規則の中で示されているかたちで答えようとする。)

4.自信過剰

5.簡略化過剰

 

(3) S・スキルベース

何度も繰り返し訓練していくうちに慣れてきて、
動作を意識しなくても体が勝手に動いてくれる状態になる。

この段階の行動が、スキルベースの行動に当たる。

【エラー形成因子】

1.新しさと以前の使用頻度

2.環境的制御信号

3.スキーマの共存する性質

4.同時進行するプラン

初心者の行動は、当初は全て不慣れな(ナレッジベース)であるが、

徐々に慣れてくるうちに(ルールベース)に、また最終的には体が勝手に動いて
意識することなく操作できるという、あまり注意が使用されない行動レベル
(スキルベース)となる。

 

この SRK モデルと先に述べたエラーの分類(スリップ・ラプス・ミステイク)
との関係は次のとおりといえる。

<スキルベース>では自己を監視するモニタリング力の低下による
「監視の失敗」が関わっており、<スリップ>と<ラプス>が対応する。

<ルールベース>及び<ナレッジベース>では「問題解決の失敗」が
発生するものであり、<ミステイク>と対応する。

 

出典

http://www.fdma.go.jp/html/new/pdf/161129_kentou/2-2.pdfを参考にさせていただきました。


 

bousicom

コメントを残す