ローカルパフォーマンスの評価尺度

いよいよ今回でこの本も最後となりました。

「PART4 インフォメーション・システムを構築する/訳者あとがき/解説 」(p219~p254)です。
これは、各部門や部署に対するパフォーマンスの評価尺度をいかにつくり上げるかという話でした。
会社全体の利益につながるような行動を取るよう、動機付けできる評価尺度を策定するのです。
何のために策定するのかというと、
「企業にとってのいちばんの力は、人の直感です。この直感を最大限活かすには、彼らのパフォーマンスを適切に評価できる尺度がどうしても必要なのです。ローカルパフォーマンスを能率や差異ばかりで評価していては、社員は期待通りの働きをしてくれません。逆にまったく正反対の行動をとってしまうのです。」(P279)
すなわち策定される側にとっては、
「どのような尺度で私を評価するのか教えてくれれば、どのように私が行動するのか教えてあげましょう」(P220)
という事になります。このような評価尺度を見つけなさいという事です。
ゴールドラット氏はこのパフォーマンス評価を「コントロール」と呼ぶ事にためらいがないと言っています。
ここでいう”コントロール”という事はどういう事なのでしょうか。
それは「”どこで物事が起こるべきか”(計画)に対し、”どこで物事が起こっているのか”(実際)を知り、逸脱があった場合、その原因を究明する事なのです。」(P220)と述べられています。
さて、それでは実際にはどういった感じで評価していったらいいのでしょうか。
前述の「逸脱」の実際の例としては
「納期通りに製品を納入しない事」があげられます。
この評価尺度の適切なものとして、
(1)「納期までに納入できなかった注文の販売額」
(2)「納入が遅れた日数」
この2つを掛け合わせて考えなければならないとあります。
(この評価単位を「ダラー・デイズ」とします。)
たとえ、部品1個だけが遅れている部門としても、
会社としての損失はこの「納期までに納入できなかった注文の販売額」に他なりません。
決して部門ごとに折半・分配するものではないのです。
しかし、何らかの形で部門毎に適正な評価をしなければなりません。
そこで、各部門が次の部門に仕事を引き渡すまでの日数で考えるとどうでしょうか。
これならば各部門は”ペナルティ”を課せられまいとあらゆる手段をつくしてできる限り迅速に仕事を次の部署に引き継ごうとするはずです。
この評価を用いると自然と作業が迅速化されていくのです。
しかしながら、この評価方法は1つだけ問題点があります。
それは、次の部署にできるだけ早く仕事を回そうとするあまり、中途半端でいい加減な仕事になってしまいはしないかという心配です。
(実際にはおそらくそうなってしまうと思います。)
そこで、別途「品質管理部門」を作り、まずこの「品質管理部門」にすべてのペナルティを課すのです。
「品質管理部門」はペナルティの全部を受け取ったら、原因を作った部署をみつけて、この「ダラーデイズ」をその部署に割り当て直せばいいのです。
原因が突き止められなかった分は「品質管理部門」の責任となりますが、
これも「品質管理部門」にとっていい反省材料となり、仕事を遂行する上でのいい動機づけになるという発想です。
つまりTQMが提唱している「品質は担当部門で作り込め」のまさに実践となるのです。
   ※TQM=下記参照
読書会を進めていただいた谷口さんの言葉をお借りしますと、
「多くの会社では、品質管理部門は「儲ける」ということをほとんど考えることなく仕事を
しているのではないかと思います。
しかし博士の考えたローカルパフォーマンス評価の仕組みの下では、品質管理部門も例外なく
気がつけば「儲ける」ことに貢献してしまうように設計されています。
まさに全体最適です。」
すべてをうまくまとめてご説明いただきました。谷口さん、ありがとうございました。
次の章は、
「What If」を引き出すためにすべての「インフォメーション」があるという話でした。
そもそもインフォメーションは何のためにあるのか、といえば、「What If」に答えるためです。
そのためにインフォメーションシステムを構築していくのです。
あいにくここの章はまだ私には良く理解ができていませんのでまたじっくりと考えてみたいと思います。
さて、これでこの本も終わりとなりましたが、
実は原文ではこの後約100ページほど続きがあるそうです。
英語力には自信がないのですが、
Amazonで原書を取り寄せてみました。
電子化・OCRでテキスト化し、自動翻訳のサービスを使って、少しづつ読んで行ってみようかと思います。

bousicom

局所的プロセス改善に努力を向ける

今回のテーマは「21 バッファーオリジン  22 バッファー定量化の第一ステップ 23局所的プロセス改善に努力を向ける 」(p191~p217)です。

まず私がひっかかったところは、
P204 12行目からの、
「図3をみると、確率が高いところでは、その増加ベースはっくりとなっています。…(中略)….バッファーオリジンに時間通りに到達する確率がすでに90パーセントを超えているタスクに注目し、その中から、到達が遅れているタスクに手を貸してあげるのです」
というところです。
ここでいう図3というのは下のようなグラフの事です。
 IMG_0619

タスクを完成する確率(縦軸)とタスク開始からの時間(横軸)との関係を表したグラフですが、

何故このような曲線になるのか?という事にまずひっかかりました。
プログラムのバグの発見率、プロジェクトの進捗具合などは必ずこういった関係になるそうです。
ネットで調べてみますと、「成長曲線」(ゴンペルツ曲線、ロジスティック曲線)というものが該当するようです。
これは経験的に統計などから数値化したグラフであるようです。
計算自体は大変複雑なものでしたので、これ以上の追求はしませんでした。
とにかくこういう風になるそうです。
経験則なのです。
それを前提とした話なのですね。
●この図でみると、最初0%~90%ぐらいまではほぼ順調に伸びていきます。(進んでいきます)
ところが90%を超えると途端に進み具合がゆるやかになり、なかなか100%に到達しません。
 (※理論上は100%にはなりません)
という事は達成率が90%を超えているタスクを優先的に「督促」してあげた方が、結果タスク全体が早く終るという理論です。

(※というよりは90%達成が予定より遅れているタスクと考えた方が良いかもしれません。)

確かにそのとおりだと思います。
●ではちなみに達成率90%とはどのぐらいの時間が経過したものなのか、考えてみました。
若干適当ではありますが、上記のグラフに手を加えてみました。赤線でひいてあるところが90%の達成率です。
時間(横軸)の交わるところをみてみると、大体65%ぐらいでしょうか。
案外早く来るものなのですね。

IMG_0619-2

●つまりは予定の日数のほぼ65%ぐらいの日数が経過したところで、

まだ90%に達成していないタスクがあれば、それを督促してあげなさい、という事のようです。
思い起こしてみれば、僕はこの時間よりもまだ結構のんびりしている事が多くありました。
結果、予定の納期に間に合わなかったという事も多々あったような気がします。
何事も終わりがけが肝心という事ですね。
徒然草の109段の「木登りの名人」の話を思い出しました。
さて、
肝心なのはこの章の後半部分です。
このような遅れてしまうタスクに何か共通している原因があるとするならば、
その共通因子に着目する事でさらに改善をしていく事が可能ではないかという事です。
●どこでタスクが止まっているのかを記録しておけば良いのです。
遅れているタスクごとに全部記録をしていけば、どこでタスクがつかえていたのかを示すリスト
いわゆる「要注意リスト」が出来上がります。(P210より)
このリストにさらに回数の多い順に優先順位をつけたものの事を「パレート・リスト」と呼ぶようです。
この「パレート・リスト」に基づいて局所的改善を導いたり、リソースごとに必要な保護キャパシティの量を定める事ができるのです。
(P216より)
まさにコントロールと呼ぶに相応しい方法が見つかったのです。(P215~P216)
と書いてあります。
確かにここまで具体的な策を講じればかなり現場の実践にも適用できるような気がしてきました。
今まで理論上の話ばかりだったのですが、ここに来てようやく実践的な話が出てきたような気がします。
以上、今回はまだ理解が浅いのですが、今後実践を通じて理解を深めていきたいと思います。
bousicom

インフォメーション・システムを構築する

今回のテーマは「PART4 インフォメーション・システムを構築する 」(p165~p190)です。

ちょっと難しいテーマでした。
簡略に書きますと、
P172に書いてありますが、
・制約条件には自らを保護する予備のキャパシティがない
          ↓
 ・制約条件の前に在庫を築く
 ・制約条件に作業を供給するリソース(これは非制約条件です)に予備キャパシティを持たせる
          ↓
・制約条件をマーフィーから保護する
という事です。
マーフィーとは何か?というと予期せぬ出来事のことです。
具体的には機械の故障や従業員のストライキ、停電、浸水、火災、材料供給の停止、情勢の変化などがあげられると思います。
これらは必ず起こりうる事なのです。
ですからそれに備えて準備をしておく必要があるのです。
「予備のキャパシティ」とは何か、というと具体的には「在庫・仕掛品」の事です。
しかし販売量を予測する事はできないですから、
在庫を多くもつ事と在庫をできるだけ少なくする事はどちらも相反するジレンマがあります。
在庫を多く持つと販売機会を逃さないがコストがかかる、
逆に在庫が少ないとコストは抑えられるが、販売機会をロスする可能性がある。
            ┌【販売機会を確保する】 ← 【在庫を多く持つ】
【上手に経営する】                      
            └【コストを抑える】     ← 【在庫を少なく持つ】
ただ、これも上のように、最終的なゴールは【上手に経営する】事で同じという事に気づきます。
TOCでは需要は予測できなくて当たり前という立場をとっているようです。
ではどうしたら良いのでしょう?
その解決策として「予測への依存度を下げる」のです。
(※著書「クリスタルボール」にてその件は詳しく書いてあるそうです)

具体的な方法として、
「需要連動型補充方式」というのがあるそうです。
これは需要が発生した数量だけ材料を補充するというやり方です。
これならば過剰な在庫が発生するのを阻止する事ができます。
ただし、予めある程度のバッファーを用意しておくのはいうまでもありません。
さて、本の中で「タイム・バッファー」という言葉が出て来ました。
バッファーとは実際には物理的な「在庫」ではありますが、予備の在庫を作るためには早く機械を動かして在庫を蓄えて置く必要があります。
結局は「在庫」は「時間」に等しいという考え方のようです。
●ここで、タイムバッファーが非常に長い時と、非常に短い時の極端な例を考えてみました。
(1)タイムバッファーが非常に長い時
・早めに仕事に取り掛かれる
     ↓
・工程内に滞留する時間が長くなる。
     ↓
    (1)仕掛品が増える。→【コストが増える。】
     ↓
    (2)製造リードタイムが長くなる。→他の仕事を投入できない。
          ↓
        ・見積もりリードタイムが長くなる。
          ↓
      【競争力を失う】
※【結論】タイムバッファーを非常に長くすればコストが増え、競争力を失う。
(2)タイムバッファーが非常に短い時
・納期ギリギリで仕事に取り掛かる。
     ↓
・特急の仕事になる。
     ↓
    (1)あわてて仕事をする。→ミスをする。→【品質が落ちる】
     ↓
    (2)他の仕事が後回しになる。
          ↓
        ・他の仕事が遅れる。
          ↓
      【残業が増える】
※【結論】タイムバッファーを非常に短くすれば品質が落ち、残業が増える。
(1)、(2)ともあまりいい事はなさそうです。
●では一体どのぐらいのタイムバッファーを取ればいいのでしょうか。
TOCでは、それは「挑戦的ではあるが達成できるサイズ」である。と定義されています。
※また、P190の最後に、
「タイムバッファーの長さをどの程度にするのか、その判断は会社全体のパフォーマンスに責任を負っている者に委ねられなければならない。」とあります。
つまり経営者自身が判断する事であるのです。

bousicom

惰性に気をつける

今回の勉強会は

著書 『ゴールドラット博士のコストに縛られるな!』 

「PART3 スループットワールドの意思決定プロセス / PART4 インフォメーション・システムを構築する」(p131~p163)
について行いました。
前回のシステムを用いて、
制約条件である、[B]工程にもう1台機械を導入した場合の利益を考えます。
前提条件という話も出て来ました。
これが変わればシステム全体を見なおさなくてはならなくなります。
あくまで提示された前提条件の中で考えていく問題です。
条件としては、
[B]工程に機械を1台導入、
作業員も1名導入、これによって業務費用は$6400になる。
日本に販売する場合はP,Qとも2割引きで販売できる
この3つの条件が新たに加わりました。
この条件で再度考えてみました。
まず制約条件を見てみます。
・P(100個作製)  TP=$45
・Q(50個作製)    TP=$60
        Pの加工時間        |  Qの加工時間    | トータル時間 |  上限時間
——————————————————————————
A     15分/個   1500分   | 10分/個  500分  | 2000分      | 2400分
——————————————————————————-
B     15分/個   1500分   | 30分/個  1500分 | 3000分    | 4800分
——————————————————————————-
C     15分/個   1500分   |   5分/個  250分  | 1750分   | 2400分
——————————————————————————-
D     15分/個    1500分  |   5分/個  250分  |  1750分      | 2400分
ですので、すべて制約条件ではありません。
つまりアメリカ国内での販売の需要はすべて満たす事ができるのです。
 (※このような場合は何が制約条件になるのというと、それは【市場】です。)
●まずはアメリカ国内のすべての需要個数を販売した場合の利益を考えてみます。
総TP= ($45×100)+($60×50) =$7500
業務費用 $6400 ですので、
利益=$7500-$6400=$1100
●では、これが正しい最大利益でしょうか?
という問いかけでした。
各工程ともまだ上限時間に余裕がありますので、この余力を使って生産できるわけです。
ただ、アメリカ市場はもう需要を満たしています。
現在制約条件は「市場」になっています。
そこで、日本市場に2割引きで販売するのです。
これは制約条件の余力で販売していますので、TPが少なくとも利益には貢献するはずです。
———————————————————————-
ここで、この章最大の問題です。
今までは
制約条件はB
最適なプロダクトミックスはPを最大限、余力でQを作る。
でした。
ただ、今回はBに1台機械が入った事でシステムが変わりました。
こういう場合はあたかも初めて眺めたシステムのように考えてみる事が必要、と説いてあります。
・考えて見ることにしました。
まずは各工程の余力時間を見てみます。
 余力時間
———————–
A     400分
———————–
B     1800分
———————–
C     650分
————————
D     650分
となります。
これから、制約条件を考えてみます。
製品Pを作るための時間はA,B,C,Dとも同じ15分ですので、
製品Qを作るための時間で考えてみます。
それぞれ生産できる個数は、
 Aは10分   400/10=40個
 Bは30分   1800/30=60個
 Cは5分    650/5=130個
 Dは5分    650/5=130個
ですので、
工程[A]が制約条件となる事がわかります。
では、[A]のスループットダラー・時間を考えてみましょう。
日本販売した場合の価格は2割引きですから、
Pの価格 ($90*0.8)=$72
Qの価格 ($100*0.8)=$80
これから、
PのTP=$72-$45=$27となります。
QのTP=$80-$40=$40となります。
  P  TP=27     |  TP/分     |   Q TP=40   |  TP/分 |
—————————————————————————-
A     15分/個    | 27/15=1.8 |     10分/個  | 40/10=4 
—————————————————————————–
製品Pのスループットダラー・時間は 1.8TP/min
製品Qのスループットダラー・時間は 4   TP/min
ですので、
ここは製品Qを販売した方が利益が上がるという事がわかります。
では、製品Qを上限いっぱいの40個製造して日本に販売しましょう。
総TPは
 $40×40個=$1600
これが日本で販売した場合のTPです。
●これを先のアメリカでの販売TPに合計し、再度利益計算してみます。
総TP= ($45×100)+($60×50) +$1600=$9100
業務費用 $6400 ですので、
利益=$9100-$6400=$2700
※これが今回の問題の答えです。
●前回のシステムの惰性に捕らわれてしまうと、
大きな利益を失う、という話でした。
bousicom

【制約条件】時間制約について

【制約条件】は大きく3つあります。

1.【市場制約】
2.【キャパシティ制約】
3.【時間制約】
です。
このうち、【時間制約】だけは特殊なもので、主にプロジェクト管理の時に発生してくるものです。
実は【キャパシティ制約】との違いが明確にわかりませんでした。
例えば本来納期5日間かかるものを3日でやってくれといったオーダーが来た場合、これは【時間制約】なのか、【キャパシティ制約】なのか
どっちだろう?というような事です。
普通に考えると各工程の作業員さんや機械のキャパシティのようでもあるので、【キャパシティ制約】と考えると思います。
もしくは1日24時間x3日という時間が限られているので、【時間制約】なのか?
実はこれは【時間制約】でも【キャパシティ制約】でもなく、【市場制約】なのだそうです。
何故かというと、無理をしてでも販売をしたいというのは充分に利益がでていないからであって、まだ利益を増やす必要性があるからという事になります。故に【市場制約】となるのです。
全くもって頭がこんがらがってきました。(-_-;)
それでは、【時間制約】というのはプロジェクト管理の時のみと考えても良いのでしょうか?と質問しましたところ、
それでいいでしょう。という回答でした。
そうでない場合は【市場制約】か【キャパシティ制約】かのいずれかになるのです。
この内【キャパシティ制約】はボトルネックが24時間、365日フル稼働したとしての仮定がありますから、
滅多な事では【キャパシティ制約】にはならないのです。
その製品が市場に求められて仕方がないという状況ですね。
この場合はお客様に待っていただくという事になります。またお客様の方も喜んで待っていると思います。
凄いですね。^^
という事はほとんどの場合が【市場制約】に当てはまるのです。
チェーンの輪で一番弱いところ(最も個数が少ない箇所)は市場、という事になりますね。
普通に考えれば確かにそうかもしれません。
さて、【時間制約】ですが、
これはプロジェクト管理をする際に、最も時間のかかるライン、【クリティカルチェーン】の事です。
この【クリティカルチェーン】だけはどうやっても時間を短縮できないのです。
これを解決するために、各工程でそれぞれ持っているバッファー(サバ)を取り上げ、マネージャーが一括のバッファーとして管理するという方法が一番望ましいそうです。
これに関してはクリティカルチェーンという著書があるので、またの機会にじっくり読んでみたいと思います。

bousicom

『ゴールドラット博士のコストに縛られるな!』 
「PART3 スループットワールドの意思決定プロセス」



【今回のテーマ】は 

著書 『ゴールドラット博士のコストに縛られるな!』 
から、
「PART3スループットワールドの意思決定プロセス」(p95~p130)を取り上げました。
販売価格$90の製品Pが100個/週 販売でき、
販売価格$100の製品Qが50個/週 販売できる場合のこの会社の最大利益を求めよ、という問題です。
(業務費用は$6000かかるものとし、A.B.Cそれぞれのワーカーは2400h/週という制約があります。)
製品P、製品Qの工程のフローチャートが示され、それぞれに携わるワーカーと、1個生産するための時間が記載されています。
材料費もそれぞれ指定されています。
●答えを見ずにまずは自分で考えてみました。(書内ではそのように推奨されています)
クイズになるぐらいですから、おそらくフル稼働はできないのだろうなと思い、見ていきますと、
案の定、ワーカーBの稼働時間が足りず、製品P100個、製品Q50個すべてを作る事はできません。
作るべき製品の組み合わせ(プロダクトミックス)を考える問題なのです。
考えていくうちに頭がこんがらがってしまったのですが、直感的にスループットが大きい製品Qをすべて作った方が良いのではないかと思いました。
製品Qを50個作ると残りの稼働時間でできる製品Pは60個となります。
これで計算すると、利益は▲$300となり、なるほど、マイナスなのか、多分これは正解だろう。^^と思いました。
ところが答えを見ると全く違ったのです。
「えー、そんな馬鹿な!」それが率直な感想でした。
何故?その思いばかりが頭をめぐりました。
理由はこうでした。
私はやはり旧来のコストワールドの考えに取り憑かれていたのです。
(コストワールド)は製品の利益から考える
 に対して、
(スループットワールド)は制約条件から考える
 のです。
(コストワールド)の発想では、極力利益額の大きいものをたくさん作る、というのはごく自然な発想だと思います。
ところがこれが大きな落とし穴なのです。
(スループットワールド)の発想は製品を生み出すために費やされる制約条件の割合を考えなければならないのです。
ここでいう制約条件の割合とはワーカーBの作業時間の事です。
製品P 1個のスループットは$45、
製品Q 1個のスループットは$60
ここだけで判断すると製品Qの方がよさそうです。
ただ、
ワーカーBが製品P 1個を作るために必要な時間は15分、
ワーカーBが製品Q 1個を作るために必要な時間は30分
でした。
ここで、スループット÷時間(スループットダラーズ・ミニッツ)を出しますと、
製品P・・・・ 45/15 =3
製品Q・・・・ 60/30 =2
なんと製品Pの方が上なのです。
従って製品Pを100個、余った時間で製品Q30個を作ります。
これが利益を最大化する意思決定なのです。
これで計算しますと 利益額$300となり、上の例とは$600もの開きがでます。
意思決定を間違うと利益もこんなに変わってしまうのですね。
●そこで自社の中にこれを適用できる方法は?という話になりました。
現実的にはお得意様のオーダーや納期のある特急仕事などもあり、製品ができあがらなければワーカーが残業してでも収めるというのが
当たり前なのですが、
一応それは置いておきまして、残業をしないという前提で考えてみました。
多数くるオーダーの中でやむを得ず断ってしまわなければならないオーダーが出てきた場合にどうするのか。
今時点の考えでは
「工程数が少なく(作業時間が少なく)、スループットの大きいもの」を優先的に受けるべきという答えを出しました。
(お得意様のオーダーや将来的なものを見込んだ受注はもちろん無理してでも受けるべきです。でもここでは一応別物として考えます)
早速私のところでも、オーダー1件あたりのスループットと作業時間の算出をできるようなシステムを作ってみたいと思います。
(システムといってもEXCELやファイルメーカーなどの簡単なものでもできそうです)

bousicom